補償コンサルタントとは
公共事業を施行するには、土地を取得したり、建物などを移転したりする必要が生じ、国、地方公共団体等は正当な補償を行います。
所有権や借家人などの関係人に生じる損失の補償やこれらに関連する業務を国、地方公共団体などの起業者から受注したり、請負ったりする者(法人または個人)を補償コンサルタントといいます。
補償コンサルタントの行う業務は、8つの部門に分かれていますが、それぞれの補償コンサルタントが最も得意とする部門の業務を受注したり、請負うこととしています。登録制度
公共事業に必要な土地等の取得若しくは使用に関する補償業務のうち、8の登録部門の全部又は一部について補償コンサルタントを営む者が、一定の要件を満たした場合に、国土交通大臣の登録が受けられる制度です。なお、登録の有無に関わらず、補償コンサルタントの営業は自由に行うことができます。
登録の要件
登録の要件は次のとおりです。
1. 登録を受けようとする部門ごとに当該登録部門に係わる補償業務の管理をつかさどる専任の者で、次のいずれかに該当する者(補償業務管理者)を置く者であること。(ただし、総合補償部門の登録を受けようとする者にあっては、当該部門に係る補償業務の管理をつかさどる専任の者は、イに該当する者であって補償業務に関し5年以上の指導監督的実務の経験を有するもの、又はこれと同程度の実務の経験を有するものとして国土交通大臣が認定した者)
なお、補償業務管理者は常勤し、その業務に専任する必要があります。
(イ)当該登録部門に係わる補償業務に関し7年以上実務の経験を有する者。
(ロ)国土交通大臣がイに掲げる者と同程度の実務の経験を有する者と認定した者。
2. 財産的基礎又は金銭的信用を有する者であること。
●法人の場合は、資本金が500万円以上でかつ、自己資本の額が1,000万円を満たす者。
●個人の場合は、自己資本の額が1,000万円以上を満たす者。
登録部門
部門名 | 業務内容 |
---|---|
1.土地調査部門 | 土地の権利者の氏名及び住所、土地の所在、地番、地目及び面積並びに権利の種類及び内容に関する調査並びに土地境界確認等の業務 |
2.土地評価部門 | 1.土地の評価のための同一状況地域の区分及び土地に関する補償金 算定業務又は空間若しくは地下使用に関する補償金算定業務 2.残地等に関する損失の補償に関する調査及び補償金算定業務 |
3.物件部門 | 1.木造建物、一般工作物、立木又は通常生ずる損失 に関する調査及び補償金算定業務 2.木造若しくは非木造建築物で複雑な構造を有する特殊建物又はこれらに類する物件に関する調査及び補償金算定業務 |
4.機械工作物部門 | 機械工作物に関する調査及び補償金算定業務 |
5.営業補償・特殊補償部門 | 1.営業補償に関する調査及び補償金算定業務 2.漁業権等の消滅又は制限に関する調査及び補償金算定業務 |
6.事業損失部門 | 事業損失 (注)に関する調査及び費用負担の算定業務 (注)事業損失とは、事業施行中又は事業施行後における日陰等により生ずる損害等をいう。 |
7.補償関連部門 | 1.意向調査(注1)、生活再建調査(注2)その他これらに関する調査業務 2.補償説明及び地方公共団体等との補償に関する連絡調査業務 3.事業認定申請図書の作成(注3)業務 (注1)意向調査とは、事業に対する地域住民の意向に関する調査をいう。 (注2)生活再建調査とは、公共事業の施行に伴い、講じられる生活再建のための措置に関 する調査をいう。 (注3)事業認定申請図書の作成とは、起業者が事業認定庁に対する事前協議を行うための協額資料(事業認定申請図書(案))の作成及び事業認定庁との事前協議の完了に伴う申請図書等の作成をいう。 |
8.総合補償部門(総合補償士) | 1.公共用地取得計画図書の作成業務 2.公共用地取得に関する工程管理業務 3.補償に関する相談業務 4.関係住民等に対する補償方針に関する説明業務 5.公共用地交渉業務(注1) (注1)公共用地交渉業務とは、関係権利者の特定、補償額算定書の照合及び交渉方針の策定等を行ったうえで、権利者と面接し、補償内容の説明等を行い、公共事業に必要な土地の取得等に対する協力を求める業務をいう。 |
リーフレット
協会では、「補償コンサルタント」の業務を知っていただくため、以下のパンフレットも用意しております。 下記pdfをダウンロードまたは本部又は支部の事務局にご請求ください。